『侍タイムスリッパー』感想|登場人物がみんな優しい、心温まるタイムスリップ映画

本物の侍が現代に挑む!優しい人々に支えられたタイムスリップ物語

『侍タイムスリッパー』、ナカデミー賞にノミネートおめでとうございます。という事で今日は新宿ピカデリーで『侍タイムスリッパー』を観ました。

侍が現代の時代劇の撮影現場にタイムスリップしてくるというユニークな設定が、とても面白い発明です。映画愛がひしひしと感じられます。本物の侍である主人公が、侍としての素性を明かさぬまま時代劇俳優として受け入れられ、持ち前の殺陣の腕前や役者としての才能?で徐々に評価を高めていく様子は、自然と応援したくなる心地よさがありました。

特筆すべき点は、この映画には激しい対立や悪役が登場しないことです。登場人物たちは、侍が本物であることを知らずとも、その真摯な態度や卓越した技術を純粋に評価し、受け入れていきます。現代に溶け込んでいく侍の姿は、笑いを誘いながらも、穏やかで安心感のある展開が続き、観る側もリラックスして楽しめます。

登場人物たちの温かいやり取りを見ていると、「娯楽は必ずしも刺激的でなくても楽しめる」ということを改めて感じさせてくれます。『侍タイムスリッパー』は、温かい感動とユーモアが織り交ざった、今の時代にこそ観たい作品です。と、いつも刺激的な映画ばかりを欲している私が感じています。