『室町無頼』感想ベスト3:室町アクションで描く一揆のドラマ

室町無頼

ナカデミー賞にノミネートおめでとうございます!
TOHOシネマズ上野で『室町無頼』を観ました。

垣根涼介の時代小説を、大泉洋主演で実写化した室町アクション。『22年目の告白 私が殺人犯です』の入江悠監督が脚本・演出を手がけ、応仁の乱前夜の京を舞台に、史実ではほとんど語られない「初の武士による一揆」を描いた作品です。

主演の大泉洋は、剣の達人・蓮田兵衛を演じ、本格的な殺陣に挑戦。さらに、なにわ男子の長尾謙杜が相棒・才蔵を、堤真一が宿敵・骨皮道賢を演じ、時代劇の重厚な世界観を支えていました。

今回は印象に残ったポイントをランキング形式でまとめます。

第3位:泥臭いアクションの迫力

時代劇といえば華麗な殺陣が見どころですが、『室町無頼』はそれだけではなく、泥臭く生々しい戦いが多いのが特徴。剣と剣がぶつかる音の重みや、肉弾戦の迫力が伝わってきて、殺陣シーンにリアリティがありました。特に、蓮田兵衛率いる無頼の者たちが幕府軍とぶつかる場面は、乱戦ならではの混沌とした戦闘が見応え十分。殺陣のスタイリッシュさよりも、命をかけた戦いの重みを感じさせるアクションが印象的でした。

第2位:中世の世界観と衣装がかっこいい

『室町無頼』の魅力のひとつは、室町時代ならではの世界観。日本映画では戦国時代や江戸時代が多く描かれがちですが、室町時代の京をリアルに再現したのは新鮮でした。

荒廃した都の雰囲気や、人々の服装、生活の様子まで細かく作り込まれていて、観ているだけでその時代に引き込まれます。特に、主人公たち無頼の者が着ている衣装は、戦国武将の甲冑とは違った実用的なスタイルで、逆にワイルドでかっこよかったです。

第1位:才蔵の棒術修行がカンフー映画っぽくて良かった

本作の中で特に印象的だったのが、才蔵の棒術修行シーン。これはまるで往年のカンフー映画のような演出で、才蔵が師匠にしごかれながら成長していく様子が、王道ながらも熱かったです。

修行パートがしっかり描かれることで、後半のアクションシーンに説得力が生まれ、才蔵が成長して戦う姿にも感情移入しやすかったのが良かった点。こういう修行シーンは、やはり燃えます。

まとめ

時代劇ファンではないですが、アクション映画が好きな視点で観ても楽しめました。戦いのリアリティや才蔵の成長ドラマ、そして中世の世界観が相まって、泥臭い戦闘に没入できる作品でした。派手なチャンバラではなく、生きるために戦う男たちの姿を描いたアクション映画として、満足度は高かったです。