『動物界』感想:家族愛と自然が美しく描かれる新生物の世界
『動物界』、ナカデミー賞にノミネートおめでとうございます!
今日はヒューマントラストシネマ渋谷で『動物界』を観ましたが、かなり良かったです。家族の愛と、未知の変異という独特の世界観が見事に描かれていました。
映画『生物界』解説
舞台は近未来。原因不明の突然変異が広がり、人間が徐々に動物と化してしまう奇病が流行しています。こうした「新生物」たちは凶暴化するために隔離施設に収容されていますが、ある日移送中の事故で外に放たれてしまいます。フランソワの妻ラナも行方不明となり、彼は息子のエミールと共にラナを捜し始めますが、やがてエミールの身体にも変異の兆候が現れ始めるのです。
主演は『彼は秘密の女ともだち』のロマン・デュリスがフランソワ役、『Winter boy』のポール・キルシェが息子のエミール役を熱演。監督は『Les Combattants』で高い評価を受けたトマ・カイエが務めています。
印象に残ったポイントランキング
第3位:自然の美しさ
まず圧倒的だったのが自然描写です。アピチャッポンの映画に出てくる森を思わせる、幻想的で美しい風景が広がっていました。特に森のシーンが印象に残り、自然の美しさがこの映画にプラス点を与えていました。
第2位:厳しくも理解のある良い父ちゃん
フランソワは、まさに良い父ちゃんでした。ママが新生物になっても決して見放さず、息子のエミールも厳しくも愛を持って育てる姿勢が伝わりました。大変な状況の中でも家族への愛を貫く彼の姿は、観ていて心が温かくなりました。
第1位:人間が新生物になる病気
やはり一番興味を惹かれたのは、“人間が動物のような新生物に変わっていく奇病”という発想です。この設定がとても好きで、アピチャッポン映画の『ブンミおじさんの森』に出てくる、森に行き精霊と化した息子を思い出しました。もしかするとこの映画に登場する新生物たちも、精霊のような存在なのかもしれません。
この映画は、美しい自然の中で未知の新生物と化した人々との共存や家族の絆を描きつつ、どこか神秘的な雰囲気が漂う作品でした。