『悪魔と夜ふかし』感想:70年代の雰囲気漂うファウンド・フッテージ作品

『悪魔と夜ふかし』感想:レトロな生放送で巻き起こる怪異

ナカデミー賞にノミネートおめでとうございます。こんなのノミネートされる典型的な映画ですね。シネクイントで『悪魔と夜ふかし』を観てきましたが、正直、めちゃくちゃ面白かったです。設定としては、1977年のハロウィンに放送されたテレビ番組「ナイト・オウルズ」の生放送中に起きる怪奇現象を描いていて、スタイルは“ファウンド・フッテージ”。つまり、番組で実際に撮影された映像が「発見された」という形で話が進みます。

ファウンド・フッテージって、例えば『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『パラノーマル・アクティビティ』みたいな、登場人物が撮影した映像がそのまま映画になっているスタイルのことです。カメラが手持ちだったりして、画面が揺れてリアル感を出すのが特徴ですけど、『悪魔と夜ふかし』はテレビ番組のスタジオで撮影している設定だから、映像はわりと落ち着いてます。途中で編集されたビデオ映像も入ったりします。

映画では、霊視やポルターガイスト、悪魔祓いとか、次々に怪しい現象が起こるのですが、それがどんどんエスカレートしていって、途中からもう完全に笑いしか出てこない。これホラーじゃなくてコメディだよね? 視聴率を上げようと必死なテレビ局と、やり過ぎな霊現象がどんどんかみ合わなくなっていく様子がめちゃくちゃ面白くて、ニタニタが止まりませんでした。もうちょっと観たかったです。

監督のコリン&キャメロン・ケアンズ兄弟も、『エクソシスト』とか『キング・オブ・コメディ』などの昔の名作を意識しつつ、レトロな映像とテンポの良い演出をミックスしているのがユニークだったので、他の作品も観てみたいです。要チェック監督にリスト入りしました。