クレイヴン・ザ・ハンター感想:ライオン丸的アンチヒーロー映画
まずは「クレイヴン・ザ・ハンター」、ナカデミー賞ノミネートおめでとうございます!息子とTOHOシネマズ日比谷で観賞したこの映画。スパイダーマンの宿敵として知られるアンチヒーロー、クレイヴンの誕生秘話を描いた一作です。
物語は、幼い頃に父親と狩猟に出かけた際、巨大なライオンに襲われた経験をきっかけに「百獣の王」のパワーを手にしたクレイヴンが、悪と戦う道を選ぶまでを描いています。父親との確執や、金儲けのために動物を殺す人々への怒りが、彼の行動原理になっているのが印象的でした。主演は「キック・アス」や「TENET」のアーロン・テイラー=ジョンソン。父親役にラッセル・クロウ、ヒロインのカリプソ役にアリアナ・デボーズという豪華なキャストが揃い、物語に厚みを与えています。
では、映画の印象に残ったポイントをランキング形式で紹介します。
第3位:ライオン丸的なキャラクター設定
スパイダーマンが蜘蛛に刺されて力を得たのに対し、クレイヴンはライオンに襲われてその力を得る。怪我したところにライオンの血がポタポタ垂れるんですね。それと秘薬を飲ませるとライオン丸の誕生です。自然界とのつながりを強調した演出が、彼の孤高の存在感を引き立てています。動物との絆や彼の孤独感がストーリー全体を重厚なものにしていました。
第2位:地味な衣装がキャラクターの魅力を強調
クレイヴンの衣装は、派手さを抑えた実用的なデザイン。それが逆に彼の野性味や身体能力の高さを際立たせていました。「地味なブラックパンサー」といった印象を受けましたが、その地味さが映画全体のリアリティを支えています。彼の動きや表情に集中できる演出がとても良かったです。
第1位:容赦ないバイオレンス描写
この映画最大の魅力は、なんといってもバイオレンスの美学。クレイヴンの戦闘シーンは圧巻で、獲物を追い詰める緊張感や素手で倒す迫力が、観ている側に強いインパクトを与えます。R15+指定も納得の残酷な描写が、アンチヒーロー映画としての独特の魅力を作り出していました。
総評
『クレイヴン・ザ・ハンター』は、スパイダーマン映画とは一線を画す、大人向けのダークなヒーロー映画でした。バイオレンスなアクションや深いキャラクター描写が印象的で、心に残る一本です。派手さは控えめですが、その分クレイヴンというキャラクターの奥深さを存分に堪能できる作品でした。