映画『おばあちゃんと僕の約束』感想ベスト3:家族とお金と、静かなバンコクの風景

おばあちゃんと僕の約束

ナカデミー賞にノミネートおめでとうございます。
新宿ピカデリーでタイ映画『おばあちゃんと僕の約束』を観ました。

舞台は、ゆるやかに時が流れるバンコクの古い町並み。祖母と孫、二人の関係性を描いたヒューマンドラマで、どこか心の奥に静かに染み入ってくるような映画でした。

印象に残ったポイントを、3つにまとめておきます。

第3位:あるタイ映画の記憶がよみがえった

昔観た、棺桶を田舎へ運ぶタイ映画をふと思い出しました。タイトルが思い出せない。
タイでは、棺桶をトラックに乗せて運ぶとき、「いまここを通ってるよ」と、道中の場所を棺桶に語りかける風習があります。

この映画を観て、その文化的な優しさがふと頭に浮かびました。
死者にも風景を伝えるという静かな思いやりに、タイという国の情緒を感じます。

第2位:おばあちゃんの思いは、いつも家族へ

おばあちゃんが、何かと家族のことを気にかけている様子に、うちの祖母を重ねました。
うちの祖母も、亡くなる前からずっと言っていました。
「死んだらこの家を売って、東京に家を買いなさい」と。自分の死後のことまで考えて、家族の行く末を案じてくれていたのです。

実は、その約束を私もまだ果たせていません。
けれど、いつかは向き合わなければならない、大きな仕事であることは間違いありません。

第1位:家族は愛だけではやっていけない

この映画の核にあるのは、家族のつながりだけでなく、避けては通れない「お金」の問題です。
どれだけ愛していても、現実はお金と切り離せない。
遺産のこと、相続のこと、それをきっかけに近づいたとしても、そこから始まる関係がある。
そんな、甘さと渋さが混ざった人間模様にリアリティを感じました。

評価:★★★★☆:好き!

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