映画『ルノワール』感想ベスト3:少女フキの空想と現実のあわいで揺れる夏

ルノワール

ナカデミー賞ノミネート、おめでとうございます。新宿ピカデリーで『ルノワール』を観ました。

1980年代後半の夏。バブル経済が膨らむ中、病気の父と働く母と暮らす11歳の少女フキの物語。早川千絵監督にとっては『PLAN 75』に続く長編第2作で、今回もカンヌ映画祭への連続出品という快挙。

今回は、観ながら印象に残ったことを3つに絞ってメモしておきます。

第3位:なんとなく『はちどり』を思い出した

少女が主人公で、日常の中にささやかな揺らぎがある世界。観ているうちに自然と『はちどり』を思い出していました。韓国の思春期映画と日本のこの時代の空気感は違うはずなのに、女の子の視点で世界を切り取るあの感じが、どこか似ていた気がします。フキの空想も、言葉にできない何かを抱えてる感じも、近い。

第2位:河合優実のシーン、もっと観たかった

北久理子役の河合優実が出てきた瞬間、「あ、空気が変わった」と思った。その存在感に惹かれたぶん、もっと長く観ていたかった。出番としては多くないけど、印象にはしっかり残った。もう少し深く関わる場面があったら、フキとの対比や関係性も見えてきたのかも。

第1位:でも舞台挨拶で河合優実見れたから、まいっか

実は上映前の舞台挨拶に登壇していて、実物の河合優実を見られた。なんというか、それだけで十分満足してしまった自分がいる。あれだけの存在感を持つ人が、映画の中にいたことが妙に嬉しい。いい時間だった。

まとめ

ストーリーが大きく動くわけではないけれど、ふとした瞬間の感情の揺れや、人と人の距離感が丁寧に描かれていて、気づけばじんわり心に残っていました。少女フキの視線を通して、大人たちの不器用な姿や、どこか滑稽な日常が見えてくる。そんな映画でした。

評価:★★★★☆(好き!)

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