タイ映画『哭戦 オペレーション・アンデッド』感想ベスト3:戦火に散った少年兵たちの悲しき叫び

哭戦 オペレーション・アンデッド

ナカデミー賞にノミネートおめでとうございます。今日はシネマート新宿で、タイ映画『哭戦 オペレーション・アンデッド』を観ました。

舞台は1941年、第二次世界大戦中のタイ南部。中立を守ろうとしていたタイに日本軍が上陸し、少年たちは兵士として戦場へ駆り出されます。

しかし日本軍は、殺しても蘇る“不滅の兵”という生物兵器を持ち込んでいました。少年兵たちは次々と襲われ、生ける屍と化しながらも、家族や恋人への想い、人間らしい心を失わずに戦い続けます。

兄メーク役に『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』のチャーノン・サンティナトーンクン、弟モーク役に『ドイ・ボーイ 路地裏の僕ら』のアワット・ラタナピンター。


想像していたよりもゾンビアクション全開という感じではなく、どう受け止めるべきか少し戸惑いました。

ここからは、印象に残ったポイントをいつものようにランキング形式でまとめます。

第3位:日本兵が作ったゾンビは、頭を撃っても倒れない

普通のゾンビ映画なら「頭を狙え」で終わるところですが、この映画の“不滅の兵”は違いました。頭を攻撃しても、なお襲いかかってきます。


設定としては斬新でしたが、正直、韓国映画『オオカミ狩り』で、日本兵のさらに凄まじい実験兵士を見てしまっていたため、個人的にはあまり強くは刺さりませんでした。

第2位:ゾンビが会話する

ゾンビになった少年兵たちが、まだ人間らしさを保ちながら「これからどうする?」と相談し合うシーンが印象的でした。

ゾンビたちが普通に会話できるため、物語は登場人物たちが早々にゾンビ化する展開になります。「ゾンビになったら終わり」ではなく、「ゾンビになってからも心を持ち続ける」というスタイルが新鮮でした。

第1位:みんな死ぬ

とにかく救いがない物語でした。家族への想い、恋人への未練、それらを抱えたまま、次々と倒れていく少年兵たち。


ゾンビ映画にもかかわらず、必死に泣かせようとする熱量の強さ。これもタイ映画らしさなのかもしれません。無理に感動を押し付けるわけではなく、静かに悲しみが広がっていく感じが胸に残りました。

まとめ

戦争とゾンビという重いテーマを掛け合わせた意欲作でした。ただ、自分が求めていた直球なゾンビアクションとは少し違ったため、受け止め方に迷った部分もありました。


それでも、タイ映画ならではの「人間の心を大切に描く」姿勢には、強く惹かれました。

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