ベテラン 凶悪犯罪捜査班

ナカデミー賞にノミネートおめでとうございます。新宿ピカデリーで、韓国映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』を観ました。2015年の大ヒット作『ベテラン』の続編で、監督は前作と同じリュ・スンワン。主演のファン・ジョンミンが続投し、新たに『ソウルの春』のチョン・ヘインが参加。今回も“熱量”がすごい。

連続殺人事件の犯人は、不条理な司法制度では裁かれない悪人たちを標的にしていく。世間はその犯人を伝説の生き物“ヘチ”になぞらえて正義の味方と見なすが、捜査が進むにつれて、どこか狂気じみたものが見えてくる。

それでは、印象に残ったポイントをランキング形式で振り返ります。
第3位:事件の構図が今っぽい
不条理な司法制度に怒る世論、ネットに投稿される犯行声明。どこかSNS時代の「拡散される正義」を描いていて、単なる警察vs犯人の構図じゃないところが面白かった。そこにリアリティを感じたし、現代的なテーマが刺さった。
第2位:ファン・ジョンミンが良い
やっぱりこの人。怒鳴る、走る、殴る。すべてが説得力ある。言葉じゃなくて身体で語る俳優、というか、彼がいるだけで画面が締まる。刑事としての責任とプレッシャー、父親としての不器用な優しさ、そしておじさんとしてのちょっとした可愛さまで見えて、ただの“熱血刑事”じゃない深みがあった。
第1位:まるで映画のサントラを観ているようだった
リュ・スンワン監督作品は音楽の使い方がいつも抜群だけど、今回は特に際立っていた。音の入り方や抜き方、アクションとのリズムの融合が完璧で、まるで“サントラそのものを視覚で観ている”ような感覚。『密輸 1970』のときもそうだったが、音楽が映画の推進力になっていた。
まとめ
正義ってなんだろう?って考えさせられたけど、そんなことより映画として単純に面白かった。音楽とアクションのキレが最高で、2時間ずっとテンポ良くて飽きなかった。シリーズ化されていってほしいし、次も観に行くと思う。
